農薬に頼らない害虫対策を目指して!「ニーム (neem)」
「ニーム」とは主にインド・東南アジアで栽培されている薬木(インドセンダン)。その様々な効果から「奇跡の木」ともよばれ、その中でもニームがもつ「虫を寄せ付けない忌避効果」が世界的に注目されています。特別ミネラル栽培の会では「ニーム」を利用した害虫が寄り付きにくい環境作りを推進しております。[PR]ガーデニングから家庭菜園・本格農業まで⇒IDE SHOKAI ONLINE SHOP
●ニームってなあに?
害虫に対して「奇跡の木」としてアメリカや欧州をはじめ、世界各国での認知はもちろん、日本でもその効果から大きな話題を呼んでいるのが、薬木「ニーム」です。
ニームの日本名はインドセンダンといい、その種子から抽出した液にはアザディラクチンと呼ばれる非常に強力な餓死能力を持つ成分が含まれています。人や農作物には害がなく、200種類以上の害虫に効果があるといわれています。インドでは数千年も昔から虫下しや胃薬、歯磨き、虫除けなど、民間の治療薬として広く使われてきました。またハーブなどとともにアーユルベーダといわれる伝承医学の重要な原材料のひとつでもあります。
- ニームという木
- 薬効特性
- 化粧品
- 家禽、家畜、羊の飼料
- 肥料、土壌改良剤、病害虫防除、作物の貯蔵
ニームはインド亜大陸の乾燥地帯が原産で12〜24メートルの高さに育ちます。痩せ地で育ち高温に耐えますが、厳しい寒さや霜には弱い植物です。海抜50〜100メートル、年間降雨量130ミリメートルの地域が生育に適しています。
インドではニームの花は1〜4月にかけて咲き、実は5〜8月にかけてつきます。年に1本の木から37〜50kgの新鮮な実が取れます。インドには約1,380万本の木があり、413,000トンのニームシードから83,000トンのニームオイルと330,000トンのニームケーキがとれるといわれています。ニームの木はシロアリや虫食いに強く、炭は高級品として取引されています。
インドでは昔からアーユルベーダ(インド医学)の薬として、このニームの葉、実、樹皮が伝統的治療薬として使われてきました。例えば、心臓病、高血圧、動悸、乾癖、解熱、鎮痛、関節炎、リュウマチ、糖尿病、癌、消化不全、潰瘍、口内炎、神経系疾患、ストレス、マラリア、気管支炎、皮膚炎であり、最近では避妊薬に使われているそうです。インドではニームの葉の錠剤が糖尿病治療薬として販売されているそうです。
1920年頃からニーム石鹸が販売されています。1975年からニームオイル石鹸も販売されています。美容にも良く、インド国内ではフェイスクリーム、シャンプー、ローションも製品化されているようです。
また、ダニやノミ、ハエ、シラミ、蚊にも効くということでペット用石鹸、シャンプーもあります。家畜の虫下しに効くということからニームの葉の粉末を混ぜた家畜補助飼料や、ニーム樹皮の抽出物が入った練り歯磨きや歯磨きパウダーもインドでは人気だそうです。
ニームは家禽、家畜、羊の飼料の重要な原料になっています。抽出後のシードが家禽用飼料として使われているようです。ニームシードケーキ飼料は授乳中のミルク成分に何の影響もなく、また赤血球、白血球にも変化はありません。
現在、ニームは農業分野で使われることが圧倒的に多いと思われます。ニームケーキを圃場に撒けばシロアリやネマトーゼでやられることはないということです。また、窒素肥料効率が改善されるので硝酸態窒素が地下水に流れ込む機会も少なくなります。
ニームケーキはもともとサトウキビの肥料や港でのシロアリ対策に使われていたようです。 稲の苗を植えつける前に田んぼに葉をいれたり、苗床に葉や小枝を入れたり、種をニームオイルで処理したりして病害虫発生を予防する方法も昔からインドでは伝統的に行われていました。また、インドではニームの葉を2〜3%穀物に混ぜて貯蔵害虫による被害を予防するということが昔からなされています。同様にタンスに葉や小枝を入れて衣類が虫にやられないようにしたりもしているそうです。
次は、ニームオイルとニームケーキについてです。